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改版日本の橋
註釋「文学界」に掲載された「日本の橋」とその他の著作によって、中村光夫とともに保田が第一回池谷信三郎賞を受けたのは昭和十一年、二十七歳の時だった。同作品を巻頭に「誰ケ袖屏風」ほか四篇を内容とする単行本『日本の橋』が刊行されたのが同年十一月二十一日、奥付の発行日に従えば、『英雄と詩人』に先んじること四日、処女評論集に位置づけられる。早く二十歳の頃に発想の萌芽が認められる「日本の橋」は、橋の形態や架橋の精神を考察し、日本と西欧の本質的な差異を発見したユニークで類ない文芸評論として、その斬新さに文壇の注目が集まり、読書界に広く迎えられた。本文庫に収めたのは、同題前著から、大幅に加筆修正した「日本の橋」と「誰ケ袖屏風」のみを残し、「河原操子」「木曽冠者」を新たに加えて昭和十四年に刊行された『改版日本の橋』である。