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インゴシマ (16)
註釋チオモの隊列を急襲した若林たち。赤城とともに奮闘し、小早川の救出を成功させた橘の胸中には、真剣で人を斬ることにためらいをなくしてしまった自分自身の変化を畏怖する感情が芽生えつつあった。チオモは殺さずに人質に取ることを決める若林。期せずして島の女王を手中に収めた三人は、チオモの慰み者にされていた相川とともに、啓太が飛ばすドローンに誘導され、葵や市原たちが待つ海沿いの拠点に辿り着く。
一方、反旗を翻した「ツワモノ」の一行に母・チオモをさらわれたことを知ったガモウは激昂する。その怒りに同調しながらも、ガモウをミガトの務めに専心させるため、女王奪還の使命を自ら引き受けると名乗り出たのは――ガモウが厚い信頼を寄せる男、副王<ガイナ>のシンジだった。
いくつもの生命の火柱が重なり交錯するその一点にこそ絞り込まれた運命を見出すべきなのか――予め定められた地点へとそれぞれの魂を導いていく大いなる機構そのものを運命と呼ぶべきなのか。過去も未来も今この瞬間の表裏として織り込まれていく、トライバル・サバイバル・ストーリー!