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ミモザの告白 4
註釋絆と呪縛、ままならない家族の物語。

「ずっと、操の優しいお兄ちゃんでいてね」

槻ノ木汐の妹ーー操は、汐のことを軽蔑している。
昔は、誰よりも慕っていた兄だった。
だがあの日、汐がセーラー服を着ているところを目撃した瞬間に、かつての憧憬は消え去った。

なぜ、そんな姿をしていたのか。原因はなんなのか。兄の変化はいつ訪れたのか。それとも、最初からそうだったのか。

理由を知るため、操は回想する。現在から過去に遡りながら、汐の生涯を辿った。
父の再婚。紙木咲馬との邂逅と別離。最愛の母の死。そして、兄と結んだ約束。
汐の抱える葛藤が見えてくるにつれ、槻ノ木家に刻まれた悲哀も明らかになっていくーー。

※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。