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ジャン=リュック・ナンシーの哲学
註釋2021年8月に逝去したフランスの哲学者ジャン=リュック・ナンシー(Jean-Luc Nancy 1940-2021)の思想をめぐる学術シンポジウムの発言全記録に、大幅に加筆修正(詳細な註を付す)。2022年9月、東京・日仏会館で2日間にわたって行われたシンポジウムには、国内外から15名の研究者が参加した。幅広い領域からの発言のすべてが、ナンシーの哲学への誘いとなる。ナンシー哲学への入門書の決定版。
ナンシーは共同性の思想を刷新した哲学者として知られ、日本でも30冊以上の著書が翻訳されている。その思索はヘーゲル、カント、ハイデガーなどのドイツ近現代哲学の批判的な読解から、民主主義や共同性、コミュニズムに関する政治的考察、キリスト教の思想史的意義の再検討、そして、絵画や映画、ダンス、音楽などの芸術論と多岐に及ぶ。【詳細な年譜・文献目録付】

I ナンシー哲学の原像
Mêmaltération ──ナンシー、同という他化(柿並良佑)
ナンシーにおけるsingulier plurielについて──なぜ複数の......があるのか、ひとつではなく(澤田直)
哲学の転生、または〈分有〉の未来 (西谷修)
非人間的なものたちとの共存?──ジャン゠リュック・ナンシーにおけるエコロジーについて(ジェローム・レーブル[黒木秀房訳])
共同体の不可能な可能性(ジャコブ・ロゴザンスキー[松葉類訳])

II 同時代への参与
三〇年後の「政治的なもの」(松葉祥一)
闇のなかの遠くへの眼差し──ジャン゠リュック・ナンシーによるヨーロッパ論 (西山雄二)
戦争、あるいは限界で生きることを学ぶ(鵜飼哲)

III 思考の共同性のなかで
無限なものの水平圏内で──彗星スピノザに感応するナンシー(合田正人)
途切れつつ続く流れ──ナンシーとブランショ(郷原佳以)
ナンシーとレヴィナス── sens について(渡名喜庸哲)
一と多──ジャン゠リュック・ナンシーとアラン・バディウ(市川崇)

IV ナンシーと共に生きる
コルピュス(ジャン゠クレ・マルタン[吉松覚訳])
思考の蜂起、あるいは哲学の誕生──ジャン゠リュック・ナンシーのために(ボヤン・マンチェフ[乙幡亮訳])
実存の縁で──ジャン゠リュック・ナンシーのために(小林康夫)