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草木成仏の思想
註釋◆「草木が成仏する」という思想のルーツに迫る◆
「草木などの植物も仏になる」という草木成仏論は、いつ、どのように生まれてきた思想なのか?――それは単なる「自然の賛美」でもなければ、「日本古来の自然観」でもない。平安時代に注目され、議論されてきたその思想を根拠から問い直し、自然との向き合い方を再考する。

◆「山川草木悉皆成仏」は間違っていた!◆
日本古来の自然観を代表するかのように扱われる「山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)」という言葉。しかし、仏典にも日本の古典にも、この言葉は存在していなかった――「草木も成仏する」という草木成仏論は、本来の仏教思想ではなく、平安時代の日本の天台僧・安然(あんねん)が、中国天台の著作を大胆に解釈することによって生まれたものであった。現代日本を代表する仏教学者が、安然の思想がどのように生まれたのを丹念に検証しながら、日本人の自然観や災害観をあらためて考える。

安然『斟定草木成仏私記』現代語訳を収録