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熟れた蕾
相原晋
出版
スコラマガジン
主題
Literary Collections / Asian / Japanese
URL
http://books.google.com.hk/books?id=Q0_ODwAAQBAJ&hl=&source=gbs_api
EBook
SAMPLE
註釋
年号が明治に代わり一ヵ月が経とうとしていた頃。
世話になった源右衛門の家に出向いた山田弥四郎は、
お茶を出してくれたお澄という少女の存在が気になった。
四十代の源右衛門に対し、お澄は間違いなく十代。
親子ほど離れた年齢差でありながら、
その控えめな親密さは淫靡な男と女の関係を暗示していた。
そんな弥四郎の疑問を源右衛門は察し、
お澄に用事を言いつけてその場から去らせた後、
やおら話し始めた。「お澄は吉原にいたのですが、
私がそこから救い出したのです。聞いていただけますか……」