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霧の彼方 須賀敦子
若松英輔
出版
株式会社 集英社
, 2020-06-30
主題
Reference / Personal & Practical Guides
URL
http://books.google.com.hk/books?id=WlI1EAAAQBAJ&hl=&source=gbs_api
註釋
生涯にわたり信仰と文学の「コトバ」に共振し、『ミラノ 霧の風景』『コルシア書店の仲間たち』『ヴェネツィアの宿』『
ユルスナールの靴』など、晩年に稀有な作品を遺した須賀敦子。
高い評価を得たエッセイや訳書のほか、
没後も詩集や書簡集も含めて刊行が続いた。
これらの作品を生み出した69年の生涯は、さまざまな「コトバ」
に支えられていた。キリスト教への入信、2度の欧州留学、
カトリック左派の流れを汲むミラノのコルシア書店での活動、
夫ペッピーノとの出会いと別れ、
帰国後に没頭した貧困者支援のエマウス運動、
そして文壇を刮目させた初のエッセイ集の上梓――。
同じキリスト者である著者が、同じ情熱を以て須賀敦子の「
たましい」に迫る、圧巻の評伝。[本文より]イタリアに渡り、
コルシア書店で働く以前は本を読み、
書店に関係するようになってからは翻訳に従事し、
ときに本を売った。帰国後、彼女は研究者となり、再び本を読み、
そして、あるときから自ら本を書くようになった。
信仰を抜きにした須賀敦子を語っても、
蝉の抜け殻を見るようなものだが、
本との関係を無視した言説も同質の幻影をもたらすだろう。
信仰と書物、ここに流れる雄渾な歴史が須賀敦子の土壌だった。