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それはどっちだったか
註釋

グロテスクで残酷な笑いと悪夢の物語──

マーク・トウェイン晩年の幻の「傑作」、本邦初訳!


南北戦争前のアメリカ南部の田舎町インディアンタウン。

〈嘘〉をつくことによって果てしなく堕ちていく町の名士。


恐怖と笑いが入り混じる独特の筆致で浮かび上がる、

トウェインの鋭い人間観察と、同時代アメリカへの批判的精神。


晩年期の1899~1906年にかけて長く断続的に書き継がれた

未発表作品『それはどっちだったか』。

19世紀の人種問題を背景の一部にした暗く苦い物語は、

一般的な明るいイメージのトウェイン像を大きく裏切る異色の作品であるが、

盛期から晩年に至る作家の歩みを凝縮した「隠れた代表作」と言える。


トウェインが執筆にかけた年数と分量から、無視できない作品であるにも

かかわらず、国内外で長く黙殺されているトウェインの幻の「傑作」を、

丁寧な「解説」とともに紹介する。


原型となった短編「インディアンタウン」(1899)も収録(本邦初訳)!