方丈記を著した鴨長明の日野の山奥での晩年を描いた作品。筆者の佐藤春夫は、方丈記を一読して得た印象を小説体にまとめたとしている。
日野山の奥に閑居するに至った背景、後鳥羽院との関わり、長明の閑居を訪ねる雅経との関係、源家長との関係、鎌倉への下向、琵琶の名手であることなど、この作品を読むに際して参考となる。