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月光・暮坂 小島信夫後期作品集
小島信夫
出版
講談社
, 2006-10-12
主題
Fiction / General
URL
http://books.google.com.hk/books?id=bsKiDwAAQBAJ&hl=&source=gbs_api
註釋
かつての作品の引用から、
実在する家族や郷里の友人らとの関係のなかから、
ひとつの物語が別の物語を生み出し、常に物語が増殖しつづける<
開かれた>小説の世界。<思考の生理>
によって形造られる作品は、自由闊達に動きながらも、
完結することを拒み、いつしか混沌へと反転していく。メタ・
フィクションともいえる実験的試み9篇を、『別れる理由』
以降の作品を中心に自選した作品集。
物語のあらゆるコードから逸脱し続ける作品世界!〇小島信夫 私は、彼女がいなくなると、何か安心したように、いっきょに、
たいへんな速さで娘時代から幼い頃へとさかのぼり、
そのあたりのところに、自分が停滞するというか、
そんな状態に見舞われた。その時代から、
ゆっくりと先へ進みはじめ、不意に彼女がカチンと音を立てる。
我に返ると、それがほかならぬこの私であった。――<「月光」
より>