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註釋

 神々に呪われた炎熱都市を、CIAが、元KGBが、テロ集団が、謎の水棲人が走る。


いかなるものもその管理下に置かれたその瞬間、失敗でも過失でも不手際でも不祥事でもなく、不明の出来事としてしまう無敵の官庁、不明省。そのコンピューター・システムの改修プロジェクトは既に九年目に突入し、設計審査会が間近に迫る中、元請けからの契約内容変更と大幅減額を拒んでプロジェクトから外された外注企業のリーダーの祈りに応えて、神々は二柱の神、熱気と湿気を送る。

その頃、祖国の夏を暑いと感じるのは東京裁判によって伝統がねじ曲げられたからだと主張し室外機の爆破を繰り返していた大日本快適党党首多々利無運は、不明省によって湾岸の倉庫に隠された「事象の地平」の存在を知る。