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日本妖怪異聞録
小松和彦
出版
講談社
, 2007-08-10
主題
Social Science / Anthropology / Cultural & Social
URL
http://books.google.com.hk/books?id=eH1YEAAAQBAJ&hl=&source=gbs_api
註釋
妖怪に秘められた敗者たちの怨み声を聞く。
大江山の酒呑童子、那須野の妖狐・玉藻前、是害坊天狗、大魔王・
崇徳上皇……
妖怪は山ではなく、人の心に棲息している。妖怪とは幻想である。
そして、自分たちの否定的分身である。
国家権力に滅ぼされた土着の神や人々の哀しみ、怨み、影、
敵が形象化されたものである。
酒呑童子、玉藻前、是害坊天狗、崇徳上皇、紅葉、つくも神、
大嶽丸、橋姫。日本妖怪変化史に燦然と輝く鬼神・
妖怪たちに託されたこの国の文化史の闇を読み解く。
酒呑童子は山の神や水の神と深いつながりを持っている。
彼ら鬼たちは龍神=大蛇=雷神のイメージと重ね合わされており、
酒呑童子が大酒飲みと描かれているのは、
近江誕生説にしたがえば、彼がヤマタノオロチ=
伊吹大明神の血を引く異常な「人間」であったからである。
酒呑童子は仏教によって、
もともと棲んでいた山を追われてしまう。
それは山の神が仏教に制圧されたプロセスと同じであろう。(
中略)酒呑童子の物語から、
土着の神や人びとの哀しい叫び声が聞こえてくる。
征服者への怨み声が……そしてその声は、
自然それ自体が征服されていく悲鳴であるのかもしれない。――<
「第一章 大江山の酒呑童子」より>