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幸福の一部である不幸を抱いて
註釋好きになった人に“たまたま奥さんがいた”
だけの、二人の女。杏子は「もうひとつの家」
に帰る彼を毎夜見送り、みずきは病身の妻を
養う彼の訪れを今日も待ちわびる。守られな
い約束、聞き慣れた噓、会えない時間が増え
続けても二人はとても幸せで……。しかし、
たった一通のメール、ほんの一回の情事が、
〝恋濃き〟大人の女たちを狂わせる――。