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国冬本源氏物語論
註釋本文研究というのは、作品研究などとは異なり、きわめて緻密な作業と読解力が求められる分野である。
別本はいずれもそうなのだが、全巻がそろっているわけでもなく、写本の扱いも厄介で、巻ごとに位置づけも慎重な扱いが必要となる。
第1章では、そのような背景も考慮し、諸本研究における国冬本の意義を説き、自らの研究の立場を明確にする。その視点のもとに、第2章以下鈴虫巻や柏木巻・藤裏葉巻などに取り組み、独自異文の意義を解釈し、読みの世界を深めていく。
本文の異同に拘泥するのではなく、呼称の問題からさらに作品論へと向かうなど、自ら新しい課題を押し広げようとする姿勢は、今後の研究の指針ともなるであろう。〈序文伊井春樹より抜粋〉