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赤の謎
註釋56歳で外資系広告代理店の副社長を辞し、とつぜん「赤の画家」となった笹尾光彦。翌年には東京・渋谷Bunkamura Galleryで鮮やかに展覧会デビュー、以来四半世紀以上にわたって個展を開催し続けています。
どうして、そんなことができるのか? 「絵で食べていく」だけでも大変なのに、25年間も渋谷Bunkamuraで展覧会を開き、しかも作品はほとんど売れてしまう。一見、穏やかでやさしい「笹尾光彦」がはらむ「おそろしさ」に迫ろうと、「ほぼ日刊イトイ新聞」で400名以上にインタビューをしてきた著者が、笹尾をよく知る12名と向き合った。
会社員時代の部下、広告時代を知るマーケター、アートディレクター、写真家、俳優のかたせ梨乃、直木賞作家の村松友視......。笹尾との出会いのきっかけ、忘れられない思い出。赤の画家・笹尾光彦とはいったい「誰」なのか? すべての取材を終えた著者は「笹尾光彦とはいったい『誰』なのか、いっそうわからなくなった」という。
笹尾光彦というひとりの人間像が、12名+著者の視点で徐々に浮かび上がっていく対談集であり、少しミステリアスな物語です。