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渡良瀬
註釋茨城県西部の町にある配電盤製造の工業団地。二八歳の南條拓は、東京での電気工としてのキャリアを捨て、一工員としてここで働き始めた。昭和の終焉も間近なざわついた空気のなか、葦原の広がる乾いた大地に新天地を求め、妻と三人の幼子を伴い移住してきたのだ。―『海燕』連載の未完の物語がついに完結―20年の歳月を経て甦った、傑作長編小説。