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蕎麦湯が来ない
註釋美しく、儚く、切なく、哀しく、馬鹿馬鹿しく、愛おしい。

鬼才と奇才。文学界の異才コンビが詠む、センチメンタル過剰で自意識異常な自由律俳句集。
『カキフライが無いなら来なかった』『まさかジープで来るとは』に続くシリーズ第三弾。四〇四句の自由律俳句と五〇篇の散文を収録。

琴線に触れまくる言葉たち。
しみじみってもんじゃない。


これは自由派の記録の最終章である。

誰もいない時計店で動いている針
写真にうつらない月を仰ぐ
もう引き返せないということもない
ブランコに濡らされた手を拭く
用途の無い棚を眺めている
そうだふりかけがある

*自由律俳句とは、五七五の形式を破り自由な韻律で詠む俳句のこと。